前回の続きです。より発展的なグリッパーを作っていきます。

前回は、上の図のように並行リンク機構を採用することで、つかむ部分が平行に動作するグリッパーの基本構造を検討しました。
今回は、これを左右組み合わせてうまく動かすところまでやっていこうと思います
歯車を追加して左右で連動する機構にする
現状の機構のままだと、片側しか動作させられません。
左右対称(絵だと上下ですが)に開閉する機構のロボットハンドにしたいです。
案としては以下の2案が上がります
①歯車で連結する
②サーボモーターを2個付ける
歯車で連結するのは妥当そうですが難易度が高そうです。サーボモーターを2個付けるのは機構は簡単そうですがスムーズに連動させるのが難しくて最終的な難易度はやっぱり高そうです。
今回は、歯車で左右を連動させる機構にしようと思います。

矢印部分の部品に下の図のように歯車を追加しました。

歯車は、FUSION360のSPUR GEARアドイン(無料)を使って作図しました。
処理はかなり簡単で、下の図のようにパラメーターを入れればそれに沿って自動で作図してくれます。非常に簡単です。学生時代に授業で習った歯車の設計は忘れてしまっていましたが大丈夫でした。こんなツールがあったらもう今後思い出すことは二度とないんじゃないかって気がします。

3Dプリンターで印刷~組み立て
3Dプリンターで印刷します。最終形はFusion360の扱いに習熟していないので、うまくできませんでした。大体できてるので後は作ってしまえばいいでしょう

一通り印刷しました。

組み立てていきましょう

まずは歯車付きのリンクを組み合わせます。
製図の時にあまり触れませんでしたが、平行にした状態で歯車をかみ合わせるために、設計段階でお互いちょうどいい位置に来るように回転させてリンクとギアを組み合わせる必要があります。一発目でうまくいきました。

各部分の部品を固定していきます。

完成です!あらかじめ製図した通りの状態に出来上がりました!!・・・のですが、なんか完成状態だと微妙に間抜けな見た目ですね。

設計段階とそう違わないんですけど。左右を組み合わせると印象が一気にコミカルになりました。
完成~動作
まだ手動での動作ですが、とにかく完成です
映像を見るとわかるんですが、機構的にはもともとのイメージは実現していて、先端が平行に動くグリッパーにはなったんですが、まだ物をつかむ機能としては若干微妙な感じです。改善点は多いのと、サーボモーターを組み込んでちゃんとしたロボットハンドにしていくにはいろいろ見直しが必要ですが、とりあえず第一弾としてはまずまずだと思います。